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はれとけ日誌

ぜんごしょの東京暮らし

口唇裂口唇裂顎裂 ⑥ 参考書籍【基本編】

いざ診断が下った、唇裂、口蓋裂、顎裂のある子供を育てる保護者向けの書籍です。

治療の流れを理解するには

  • こどもの口唇裂・口蓋裂の治療とケア
  • 口唇裂・口蓋裂治療の手引


そう、タローはS大学病院にかかってます。この2冊は具体的な患者向けの治療の手引きです。一般向けすぎて物足りないかもしれませんが、疾患と治療の全体像を網羅して、簡潔にまとまっています。
保育園、幼稚園や学校の先生、身内などに理解してもらう説明資料として役立ちます。その際は1冊目がおすすめです。2016年に発行された本です。イラストと写真が多く、ぱらぱらめくるだけでなんとなく分かるようになっています。
子供が成長し、自分の疾患を理解したいと考え始めたら、最初に渡すことができる本だと思います。
2冊目は2016年現在、3版まで改訂されています。

障害を理解するためには

タローは最初の聴覚スクリーニングにもひっかかりました。
小学生向けの絵本です。他にも様々な発達と障害を考える本のシリーズの一部です。
裂が原因で、聴覚障害言語障害が起こることがあります。他にも色々ありますが。
この絵本は、小学生の日常のできごとと、その場面での障害を持つ子供の気持ちを取り上げており、イメージしやすい。さらに支援の方法や参考資料が簡潔に収録されているので、身近に障害を持つ知人がいない人が理解を深めるとっかかりにおすすめの一冊です。私はまずこれを父親に読んでもらいました。子供のありのままを受け入れる準備としてでした。

発達・母乳・ことば

  • 満1歳で離乳が終わる”らくらく”育児
  • 育児の原理 内藤寿三郎
  • 0〜4歳 我が子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児

「語りかけ」育児 [ サリー・ウォード ]
価格:2376円(税込、送料無料)

裂のある子供にとって、哺乳、食事、構音は大きなテーマです。
出産後すぐに直面する課題は、おっぱいから哺乳できない我が子にどうやってお乳をあげるの?ということ。
噛んで出すタイプ(咬合式)の乳首が使えるんだって、じゃあどれを選べばいいの?と手探りで情報を集めました。
最も参考になったのが1冊目の本。矯正歯科の医師が執筆した本で、「乳児期に噛む力を鍛えることが口腔内と全身の発達の基礎になる」ということを訴求した内容です。健常児を対象にした本の中で勧められている、咬合式の乳首。タローは色々試した結果、この本にも出ているビーンスタークのニプルを使いました。サブローも使っています。
出版から結構経つのですが、主張の方向性は最近の学説と照らし合わせてもまあまあ合ってる感じです。舌をいい位置に保持することや口を閉じて鼻呼吸できることは、構音訓練に通底しています。
何より、「噛めれば生きていけるのよ、噛めれば」という点に救われますよ(笑)
母乳育児・アレルギー・口腔内の発達・構音・食欲といった、裂児には死活問題のテーマが網羅された貴重な本です。
タローは裂が大きかったので、哺乳瓶で飲めなきゃ食道にチューブで流すかなぁなんて局面でした。そう、直接母乳が飲めないんだし、粉ミルクでいいよねとなりかねない状況でした。
私が、絶対にタローから母乳と噛む能力を奪わないと強い意志を持ったのは、この本の影響があると思います。
まあ、タローがミルク断固拒否だったので、結果的に泣きながら母乳を絞ることになるんですが…

2冊目はもう古典の類ですが、たまたま職場の女性の方から贈られたものです。「お母さんはできる範囲で怠けずがんばりなさい」と言ってくれる本です。
母乳の大切さにも触れていて、初産で搾乳で十分なおっぱいが出るのかと挫けそうな時に、叱咤激励してくれる本でした。
また、自分も子供もアレルギー体質なので、初乳の価値や人工乳を薄めてあげるテクニックなど他であまり言及されていない情報を興味深く読みました。

3冊目の「語りかけ育児」は、日常で少しでも構音の訓練ができないかと試行錯誤するときに出会った本です。内容は構音障害に殆ど関係ありません。だけど最近、通っている言語教室のキャビネットにも蔵書しているのを発見。
良くまとまっています。多言語獲得や発達に気がかりのある子供にも適用できます。
具体的な環境設定、生活の留意点、用意する物など分かりやすく、月齢ごとの発達段階も参考になります。

「赤ちゃんにことばや音をまねさせたり、言わせたりしないことです。そんな必要はまったくありません。私たちの仕事は、いちばんぴったりの方法で赤ちゃんに話しかけることです。そうすれば赤ちゃんは自分から話すようになるでしょう。」

この本のアドバイスのおかげで、静かな環境を用意し、正しい音をタローに届けることを意識するのに集中できました。
また、悪意なく言い直ししたがる大人達からタローのお喋りする意欲を守るのに役立ちました。
タローの獲得したお喋りでコミニュケーションする欲求と、音を選んで聴き取る能力は、本格的なスピーチトレーニングで役立っていると思います。

長くなったので、続きは次回。
二次障害に備える応用編を書き散らしたいと思います。

今回は本の紹介にとどめたので、構音や母乳など、それぞれの四苦八苦は別に書いていけたらなと思います。


20160520 記述を修正しました。参考図書に画像とリンクを設定。