はれとけ日誌

ぜんごしょの東京暮らし

リネンのフラットシーツを選ぶ

リネンシーツってどれが良いの?と迷子になっている自分へ備忘録の回。

暑くなり、先日、破れたリネンシーツの代わりを購入する必要に迫られています。綿はやはり暑いようです。サブローの寝汗とあせもが違います。
前回は初めてのリネンシーツだったので、手堅いメーカーで基本のものを選びました。リネンの良さが検証できたので、今回は情報を整理しつつ、コスパの良いリネンシーツを探そうと思います!

リネンの定義

私が最初につまづいたのがここでした。麻と言われることがある繊維を採取される植物は20種類にのぼるそうです。日本麻紡績協会が簡潔に説明されていました。

しかし、家庭用品品質表示法では、麻と標記するのはラミーリネンのみ。その他は指定外繊維などと標記しなければなりません。


リネンは亜麻科、ラミーはいらくさ科だそうです。花粉症の元ですが、寝具としてはいらくさアレルギーの人でも大丈夫なの?情報を探し中です。
ラミーといらくさについては、こちらの記述が面白かった。苧麻 カラムシ チョマ ラミー - 山里ひぐらしの小径

日本の上布(小千谷縮、近江上布、宮古上布、八重山上布など)はラミーになるそうです。


分かりやすく実例で

ラミー Ramie (苧麻)

★麻100%国産40番ラミーリネン(単位50cm)
価格:540円(税込、送料別)


リネン糸の番手

60番手のリネン糸は普段着のシャツを仕立てるのに、80番手のリネン糸は繊細な女性用ブラウスに・・などと使い分けます。
現在作られている糸では150番手の糸が最も細く、リネンの最高級品と言えます。

出所:帝国繊維 http://www.rakuten.ne.jp/gold/teisen/linen.htm

シーツに使われるのは40〜60番手の流通が多いようです。
なかには14番手というものも見つけました。
ハンドメイドリネン 生地 厚手ホワイト
糸の番手が違うと、肌触りの他に、シーツの厚手、薄手が変わってきます。
厚手、薄手の違いは、糸の番手の他に織り方が影響します。

リネンシーツの選び方まとめ

リネンorラミー

なめらかな肌触りを求めているなら亜麻(あま)、つまり狭義のリネンを選ぶ。
和の麻布は苧麻(ちょま)、つまりラミーです。
亜麻でも苧麻でもないのに麻と銘打っている製品は誠意がないか、日本の法律に明るくない主体が流通しているものです。気をつけましょう。

番手

40番手なら一般的なシーツ。
60番手なら高級クラス。
80番手は最高級。
100番手は幻クラス。

一般的には、番手の数が小さいものは厚手になり、大きいものは薄手です。
細く滑らかな糸を紡ぎ、布にするには、質の良い材料と特別な器械、技術が必要!

亜麻栽培生産地(2013生産量順)

  1. フランス北部
  2. ベルギー
  3. ベラルーシ
  4. ロシア
  5. 中国
  6. イギリス
  7. オランダ
  8. エジプト

日本産もあります!


亜寒帯の北海道で明治から軍需品として生産されたとか。一時は途絶えたようですが、現在は石狩管内当別町をはじめ、札幌市、空知管内月形町新十津川町、檜山管内厚沢部町といった地域の農家に栽培委託されているということです。テイセン(帝国繊維株式会社)はその流れなんですね。


呼称の意味

アイリッシュリネンは(もはや)産地のことではない

現代では、アイリッシュリネン・ギルドに加盟している企業のリネン製品がアイリッシュリネン。紡績の技術の規格だと言えなくもないが、曖昧。
ハードマンズ社が代表格のようにも言われますね。南アフリカと中国に工場があるようですが、細番手(3ケタ)の良品は中国工場で生産しているようです。

現在のアイリッシュリネンは、ほとんどがフランスで栽培された亜麻をベルギーで繊維製品に加工したもの。
アイルランドでは亜麻の栽培はなくなってしまったようです。

フレンチリネン

こちらは産地のこと。
フランスで栽培されましたよ。といこと。
フレンチリネンの品質は10段階にクラス分けされているようです。

リトアニアリネン

こちらは製織地のこと。
主にフランスで栽培された亜麻をリトアニアで布にしましたよ。といこと。
品質はわりとバラツキがあるようです。


結局、リネンの品質が判断できる指標は?

ヨーロッパ産に関しては、CELCが設定しているマスター・オブ・リネンという称号が目安になりそうです。
CELC(ヨーロッパリネン連盟)は欧州の亜麻(リネン)と大麻ヘンプ)の生産や工程を含むすべての過程の業者を集めたヨーロッパの唯一の農産業組織。高品質な製品でないと、マスター・オブ・リネンと名乗れないとか。


結論

細番手であれば一定の品質と言えます。良質なフラックス(原料の亜麻)で高い技術を用いなければ、細番手の布を織ることはできないからです。
それ以外は何とも言えないようですね。誠意のあるメーカーや取扱い店の目利きに頼るしかないかもしれません。
悩ましいなー。


出典:リネン(亜麻)・ラミー(苧麻)・ヘンプ(大麻)について|繊維の知識|学びたい・知りたい|一般財団法人ボーケン品質評価機構
亜麻王国北海道 | 北海道ファンマガジン
https://nayoro.ac.jp/organization/labo/report/files/26-01.pdf


20160907 以下にリネンシーツのエントリーを追記しました。
リネンの掛けるシーツ、敷くシーツ - はれとけ日誌
リネンのシーツ、その後 - はれとけ日誌
リネンのフラットシーツを選ぶ - はれとけ日誌
リネンのフラットシーツ 購入編 - はれとけ日誌