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はれとけ日誌

ぜんごしょの東京暮らし

出生率と大人の休日倶楽部

都会の子育ては、地方のじじばばが支えている。
という話を聞いたことはありますか?

我が家もこまったときは祖父母頼り、電話すると孫可愛さに飛んできてくれます。

足はもっぱら新幹線です。株主優待券が残っているうちは飛行機のこともあります。

新幹線といえば、JRの大人の休日倶楽部。祖父母(私から見れば親)の年代だと、半額になります。

父よりは若くアクティブな母は、夜行バスもお気に入りです。寝ているうちに移動でき、しかも安いので、お得なんだそうです。

私自身、結婚当初は地方在住で、都内勤務の夫と別居生活でした。週末は都内のアパート、平日は地方の社宅、合間に実家という暮らし。

ちょっと根無し草のこの生活を数年経験し、多地域居住の可能性と不便について考える機会になりました。

ここにきて、両親が子育て(孫育て)に生活の労力の多くを傾けてくれていると、実体験からよく分かります。

大人の休日倶楽部は、そんな孫育て世代の切札となっているようです。
母(祖母)に言わせれば、同様に退職後は、結婚して上京した娘の子育てを支援しているという女性退職者が多いとか。

彼女たちは地方のスーパーや農協で買物をし、米、野菜や果物、地物の魚や肉を詰めて宅急便を送るのです。あるいは、発泡スチロールに保冷剤を入れてカートに括り、引っ張って新幹線で娘の家へ持参します。
都会で核家族として生活する娘の家へ着くと、台所で荷解きし、冷蔵庫を満たし、滞在中は食事の支度やら掃除洗濯、保育園へ通う孫の送迎を手伝い、たっぷりと食事の作り置きを用意して、自宅へ帰ります。

ふるさと納税クラウドファンディング、ネット通販など、地方へお金と人が流れる路は増えつつありますが、こういった「いなかの母」たちの投資は?認知され、何らかの形でバックされていると言えるのか?

都会で出生率が上昇したというニュースに、考えます。
大人の休日倶楽部は、いなかの母を都会へ連れてくることに成功した。いなかの物資と労働力です。そのおかげで都会のおのぼり嫁さんたちは、働き母となり子供を産み育てることができている。
孫育てに労力をさくじじばばの支援で、子供たちは共働きの家庭で養育され、ある程度の水準の教育を受け、少なからずいなか文化の薫陶を受ける。

そう、文化です。文化は必要だ。

まだ考えがまとまらないのですが、多地域居住が容易な社会は、悪くないと思う。物と人が流れることが、人間社会を発展させるという話です。

だから、情報化と物流がこれだけ進化した現代なら、毛細管現象だとか、一方的な吸上げかと言えばそうでもない、という現象になるのかいいのではないかと思っています。

都会は消費します。いなかには資本がある。じじばばは資本を都会へ運んでいるのです。そのコストを、消費側が負担する方が良いんじゃないかと思います。今は、個人が持ち出しているような気がします。子供という、未来への最大の投資、資産を産み出す、開発のコストを、個人が抱えているかのような…。

かんたんに言うと、子供を持つとお金がかかる。子育ての労力を提供するうえにお金ももっていかれる。それは、昭和の頃のように分かりやすくは、自分には返還されない。退職後に子に扶養されるわけでもなく、最終的に子に介護されるわけでもない。それどころか年金で食材を提供し、交通費を持ち出して、孫育ての労働力を提供するのです。

保育所文化施設、塾や予備校、多様な文化、情報などが、都会には網羅されているけれど、それらは人為的なサービスであり、利用には対価が必要だ。対価は金銭でなければなりません。

人脈によって得ることもあるでしょうが、それなしに得ようとすれば金銭による対価が妥当です。だから、都会では金銭を得ることは大事なのかと。共働きはより多くの収入を得る。子育てをする親は、子育てのためになおさら、金銭を得るための労働をし、かつ養育のための労働をするでしょう。

だいたい、身内(親族である祖父母)による養育という特質は、他の方法では得難い。アイデンティティに関わる文化との接触という点も、代替は容易ではないように思われます。

したがって望ましいのは、いなかのじじばばが物資と労働力を提供するスタイルを保持して、コストを受益者が負担することだ。この場合の受益者とはだれなんでしょう?少なくとも大局的には、じじばばが負担しなくてもいい話じゃないかと思うところ。子育てする親?個人的にはそれも本筋ではないと思う。

子供を持てとか、そう言う主張ではなく、社会が次世代に楽観的であってほしいものだなぁ、それを成熟した社会のありようとして受け止めたいなという気持ちなのでした。

などなど、大人の休日倶楽部を思うのでした。
これには、介護割引(ANA)やらダイバーシティやら、別の話題も乗ってくるのですがまたの機会に。